MINOBE
KAZUYASU

フェンシング

見延和靖
みのべ・
かずやす
南中山小―南越中―武生商高―法政大。ネクサス所属。身長177cm。現ランキングは3位(2019年12月27日時点)。32歳

突くか、引くか-。
一瞬先の未来を見るように相手の動きが読めた。昨年3月、日付で行われた男子エペのグランプリ(GP)大会決勝。同種目で日本人初優勝を果たしたたこの試合で極限の集中状態「ゾーン」を体験する。「意図的にそこに入れれば負ける気がしない。コントロールできる予感がある」

リオデジャネイロ五輪は準々決勝でフランスの強豪に屈し、4年後の金メダルを心に誓った。その後ワールドカップ(W杯)2勝。格上のGPでは昨年5月に2連勝し、破竹の勢いで世界ランキングの年間1位に立った。

「経験の差が表れる」という駆け引き面も進化。隙間を狙う代名詞の「足突き」は年々切れ味を増す。幾多の大舞台を経てゾーンに至るほどの集中力を身に付けた。

昨秋の全日本で2連覇を逃し、スイスW杯も初戦で敗れたが「調子には波がある。大事なのは最大の波を東京に合わせられるか」。焦りはない。

「史上最強のフェンサー」への通過点として、五輪の「金」は不可欠のタイトルだ。「地元福井、越前市のフェンシング界を盛り上げるためにも」。世界よ、待っていろ。

文・宮崎翔央
写真・杉本哲大 ほか